レンジフードを掃除しても油くさい。原因はダクトの中でした|キッチンダクト清掃の実例

キッチンダクト内部の清掃前。油とホコリが混ざった茶色い層が全面に付着している

「レンジフードは分解して洗った。フィルターも交換した。それなのに、火を使っていないのにキッチンが油くさい」

こういうご相談をいただくことがあります。多くの場合、原因は目に見えるところではなく、レンジフードの奥に続いているダクトの中にあります。

先日伺った築11年の戸建てのキッチンダクトが、まさにその状態でした。清掃前から清掃後まで、同じ場所を同じ向きで撮影した写真が残っていますので、順番にお見せします。

目次

清掃前:金属の光がまったく見えない

キッチンダクト内部の清掃前。油とホコリが混ざった茶色い層が全面に付着している
清掃前(9:43)。金属の壁面がまったく見えないほど、油とホコリの層が固着していました。

これはキッチンの排気ダクトの内部を、レンジフード側から撮った写真です。アルミの蛇腹(フレキシブルダクト)でできています。

本来この内側は銀色です。写真では一面が茶色〜オレンジ色になっていて、金属の光沢がどこにも見えません。この色はすべて、油とホコリが混ざって固まった層です。築11年、一度も清掃されていませんでした。

蛇腹は内側に細かい溝が連続しています。この溝が、油を含んだ空気を絡め取ってしまう。だからダクトの中は、レンジフードの表面よりもはるかに汚れやすい構造をしています。

なぜ、ここまで汚れるのか

調理で出る油は、目に見える大きな粒だけではありません。加熱によって細かい霧のようになった油分が、湯気と一緒に吸い込まれていきます。

フィルターやレンジフードで捕まえきれなかった分が、ダクトの内壁に付着します。そこにホコリが乗り、また油が乗り、を繰り返す。時間とともに水分が抜け、最後はベタつきを通り越して樹脂のように固い層になります。11年分ともなると、指で押しても動きません。

この層は2つの困りごとを生みます。

  • においが残る — 固まった古い油そのものがにおいの発生源になり、換気のたびに部屋側へ戻ってくることがあります
  • 排気が弱くなる — ダクトの内径が実質的に細くなり、レンジフードの吸い込みが落ちます。新しいレンジフードに交換しても改善しないのはこのためです

洗浄中:アルカリ性の洗剤で、油を分解する

キッチンダクト内部にアルカリ性洗剤を塗布し、油汚れを分解している最中
洗浄中(9:45)。アルカリ性の洗剤を行き渡らせ、油を分解させます。

ブラシでこするだけでは、固まった油の層は落ちません。ここではアルカリ性の洗剤を使います。

油汚れは酸性です。反対の性質であるアルカリを当てると、油が分解されて水に溶ける状態に変わります。中学校の理科でいう中和に近い反応です。力任せにこするのではなく、化学の力で先に緩めてしまうわけです。

写真の白い泡が洗剤です。泡が汚れに触れている時間を十分にとってから、ブラシで削り落としていきます。この順番を守らないと、汚れを引き延ばすだけで終わってしまいます。

清掃後:アルミの地肌が戻る

キッチンダクト内部の清掃後。汚れが落ちてアルミの地肌が現れている
清掃後(10:23)。汚れが浮いて流れ、下地の金属面が出てきました。
キッチンダクト内部の清掃完了後。奥まで金属の地肌が見えている
完了(10:32)。奥まで金属の面が戻り、排気の通り道が確保できました。

最初の写真からおよそ50分後です。茶色い層がなくなり、アルミ本来の銀色が奥まで見えるようになりました。

見比べていただくと、同じダクトとは思えないかもしれません。ですが、撮影しているのは同じ場所、同じ向きです。11年かけて積もったものでも、正しい手順を踏めば1時間かからずに落ちます。

ご自宅のダクトを、自分で確認する方法

業者を呼ぶ前に、ご自身で確認できます。特別な道具はいりません。

1. レンジフードの中をのぞく

整流板とフィルターを外すと、奥に排気口が見えます。スマホのライトを当てて、その穴の内側を見てください。銀色ならまだ余裕があります。茶色ならダクトの中も同じ状態と考えて差し支えありません。

2. スマホで奥を撮る

排気口にスマホを近づけて、ライトを点けたまま数枚撮ってみてください。肉眼より奥まで写ります。今回のような写真がご自宅でも撮れます。

3. ティッシュで吸い込みを見る

レンジフードを「強」にして、ティッシュを1枚あてがってみてください。手を離しても張り付いたままなら、吸い込みは保たれています。すぐ落ちるようなら、排気の経路のどこかが詰まっています。

プロに頼む目安

  • 築5〜10年で一度も清掃していない — 最初の1回をおすすめする時期です。今回の現場は築11年でした
  • レンジフードを掃除してもにおいが取れない — 原因が表面ではなくダクト側にあります
  • レンジフードを新しくしたのに吸い込みが変わらない — 本体ではなく経路の問題です
  • 排気口の内側が茶色い — 上の確認方法1で茶色が見えた場合

なお、ダクトの内部はご自身での清掃をおすすめしていません。理由は2つあります。蛇腹はアルミが薄く、力を入れると簡単に破れること。破れると排気が壁の内部に漏れてしまい、清掃より大がかりな修理になります。もう1つは、アルカリ性の洗剤は手肌や目に付くと危険で、換気の悪い足場の上で扱う作業だからです。

料金とご相談

キッチンのダクト清掃は、レンジフードの分解洗浄とセットでご依頼いただくことが多いメニューです。詳しい料金は料金ページにまとめています。

「うちのダクトはどうだろう」と思われたら、上の確認方法1で撮った写真を送っていただければ、状態の目安をお伝えします。見積もりだけのご依頼でも構いません。

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